ナチュラルヒーリングPhto/夏の終わり

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夏が終わるのを惜しむ気持ちがふと沸き起こる。
いや、暑いから早く涼しくなって欲しいとばっかり言っていたじゃないか、と笑われるかもしれないが、時にふと、夏が終わるのだと思えば淋しく残念に思う気持ちになってしまうことがあるのだ。

古来、日本人というものは、殊に平安貴族などというものは、夏ではなく秋を喜び秋を惜しむという気風であったように思われる。
だが、夏が嫌いだったわけでもないらしくて(笑)、夏の歌もいろいろある。
夏を惜しむ感じの歌というのも「古今和歌集」に見える。
 「夏と秋と 行きかふ空の かよひぢは かたへ涼しき 風や吹くらむ」(凡河内躬恒:おおしこうちのみつね/859ころ-925ころ)
そして秋の訪れに気づかされる。
 「秋きぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」( 藤原敏行:ふじわらのとしゆき/?-901or907)

前者の歌のように夏が終わり秋が来るとしたら空の片方から涼しい風が吹いてきた時なんだろううな、と考えているうちに、後者の歌のように、秋が来たとはまだ思っていなかったが、風の音で気づかされた、ということになるのだろう

つまり秋は忍び寄ってくる。そしてそれを知るのは、風によって、なのだ。
感性を豊かに鋭く保ち、秋を待つことにしよう。

A.T.迦楼羅
ジオマンシー(ゲオマンシーともいう)占い、西洋占星術、易占いなど、世界各地に古くから伝わる占術の研究者であり、心理カウンセラーとしても多方面で活躍中。
スピリチュアルカウンセラー育代オフィス所属
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