ナチュラルヒーリングPhoto/炎暑と陰と

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暑い。燃えるように、熱い。
そんな時がある。もし仮に自分が、果てしなく広がる農地を耕す農夫であれば、あるいは、草原に残る獲物の痕跡を日に夜に追い続ける狩人であれば、はたまた前後左右どこを見ても雲ひとつ島影ひとつ見えない大海原を小舟でゆく漁師ででもあれば、灼熱の太陽から逃れるすべもなかろう。

が、われわれはそうではない。
そう。即ち、そこから逃れるすべがある。逃げる場所がある。
それは屋内であり地下であり、公園や林の木蔭である。
そのうえ、冷房装置もあればつめたく冷やした飲み物すらたやすく手に入る。

ああ、よかった。たすかった。
それならば、われわれはしのぐだけでなくこの炎暑ですら楽しむことができるではないか。
真夏の太陽のすさまじい熱量を帯びた光線を受け、ギラギラと反射するビルの姿にも。
ただしらしらとのっぺり陽に灼かれるビルとその影となってくろぐろ横たわる建築物や舗装道路にも。それらも夏の風情として見て、うっすらと微笑むことが出来る。
同じく、しゃれたビルの地下の、薄暗く仕立てられ冷房でひんやりしていることが目で見ただけでもわかるようなエレベーターホールのデザインも、悪くないねと微笑んで眺めることができるだろう。われわれは現代に生きる文明人なのだから。

A.T.迦楼羅
ジオマンシー(ゲオマンシーともいう)占い、西洋占星術、易占いなど、世界各地に古くから伝わる占術の研究者であり、心理カウンセラーとしても多方面で活躍中。
スピリチュアルカウンセラー育代オフィス所属
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